小田原から伊豆への旅旅モロ

Episode 4 : 雨の下田でマッタリと過ごす。

4月23日水曜日、下田は朝から雨だった。

ユキ姐は今日は仕事。しかも朝4時から勤務開始。3時半には家を出て行った。

黒瀬夫妻は病院食の調理の仕事をしている。

病院食の調理の仕事と言っても単純ではない。大元の会社があって、そこの運営する、というか、その会社が仕事を請け負っている病院の事業所が、東伊豆から南伊豆にかけていくつもあって、マモちゃんはそこの主任で、慢性の人手不足をやり繰りしながら回している。過労気味の、若干ブラックの臭いのする職場だ。

ユキ姐は割と最近その同じ職場に合流した。

早番で4時〜13時、遅番で9時〜18時、といった感じのシフトだ。黒瀬夫妻はほとんど早番シフトで出勤して、何やかんやでサービス残業を2〜3時間する羽目になる。

伊豆はあまり良い仕事がない。特に移住者には厳しい部分はある。その中で病院食の調理は一定のニーズが必ずある安定した仕事ではあるが、黒瀬くんほどの料理人の腕をそこで使わなければならないとは、、、。

それもまあきっかけは2人の息子を育てる為だったはず。あと4年で楓太も大学を卒業する。しかも親孝行なことに公立の大学だ。あと少しで楽になるはずだよ、マモちゃん。頑張って下さい。

とは言え黒瀬くんにはサーフィンがある。どんなに忙しくても南伊豆に居れば、風が良ければ、うねりが入れば、波に乗れる場所は車で30分以内で沢山ある。一発でストレス解消になることだろう。

弓ヶ浜。Photo By マモちゃん。From ママチャイナのグループLINE。

昨日の残りでありながら超ごちそうの筍ご飯、筍炒めで朝ご飯を7時ぐらいには済ませ、雨の音を聞きながらマッタリしていた。

今回の黒瀬家訪問にあたり、僕にはひとつミッションがあった。それは黒瀬家のオーディオのアンプとCDプレイヤーの交換である。

黒瀬家は元々横浜のママチャイナで使っていたというBOSEの吊り下げ型のスピーカーを使っている。数年前に僕と2人で天井に設置して配線も僕が施したものだ。

それが最近片方のチャンネルが鳴らなくなったとの電話を貰ったのは名古屋を出発する1週間ぐらい前のことだった。更にCDプレイヤーも作動しないと言う。その辺の機材は散々パフェにおしっこをかけられているとのことだ。

普段から忙しい上に伊豆の下田在住ではどうにもならない。

今あるアンプのスピーカーのチャンネルを付け替えることを試してもらい、スピーカーが原因ではないことを確認して、名古屋の池下の、僕がよくあんかけスパを食べに行く時に寄り道するHARD OFFに中古のアンプとCDプレイヤーを見に行ったのだった。

これと同じではないがこういうヤツね。
最初これで良いかと思い買ってみたBOSEのアンプ。
でもBOSEはボツで信頼のSONY製を。
このDVDデッキとセットで下田へ。

ジャンク品で鳴らなかったら面倒臭い。一応店でも検品しているはずのリユース品からチョイス。

なんか変なBOSEのアンプがあったので、BOSE x BOSEでいいかもと思い、一旦購入。家に持ち帰ってテストしてみた。ハイ・インピーダンス対応とローのチャンネルと2系統あったのだが、どちらも片チャンしか鳴らなかった。ブッブー。ダメですね。と言うことで返品。安心信頼のSONYのヤツに変更した。

CD用には僕の使ってないDVDプレイヤーをプレゼントすることにした。こっちもSONYだ。

そいつらを名古屋から下田に運んで、黒瀬邸に設置した。

造作ないことなのだが、TVからの出力はヘッドフォン端子しかないので、それで繋いだのだが、DVDプレイヤーに比べたら、大分レベルが小さい。切り替えには注意が必要である。

とりあえず高品質の音響環境を整えて、午前中は黒瀬くんオススメのYou Tube、Bappa Shotaの旅の動画や、大阪の西成あいりん地区の動画、ヤバい動画ついでにその路線なら僕のオススメのテレ東の番組「ハイパー・ハードボイルド・グルメ・レポート」などを見て過ごした。

まあまあ面白かった。自撮りでもクォリティが高い。
これは凄いです。超面白いです。

雨は一向に止む気配は無い。昼過ぎ、我々夫婦はいつも行く地元の直売所「湯の花売店」に行くことにした。

湯の花売店は黒瀬邸からは車で30分弱ぐらい。地場で採れた新鮮野菜、果物、海産物、パン、お茶、工芸品などが売っている道の駅というか直売所である。変なお土産買うより季節の果物や野菜の方がよっぽど気が利いているってもんだ。

どどんと柑橘類の宝庫。
野菜もモリモリ。
結構広い店内。
すぐ横の川沿いは河津桜の並木道だ。

雨のド平日だったので品薄かと思ったがそうでもなかった。これから伊豆は夏みかん、ニューサマーオレンジの季節だ。旬の野菜も豊富だ。味の濃い野生に近いクレソンや、地魚コーナーでは珍しい「亀の手」などを買って帰った。

亀の手とは、よく磯場などで岩にくっついて群生している亀の手に似た小さいあれだ、あれって実は貝の一種で塩茹でにすると結構美味しい。貝の味なんだけど、カニみたいな食感があり、ひとつひとつが小さい割に実入りが良くて、食い出があるのだ。多分今の時期しか出回らないんじゃ無いかと思う。巡り合わせに感謝だ。

はいはい、キモイですよねー。
でも食べるんです。

働き者のユキ姐が3時間ぐらいのサービス残業を終えて帰宅したのを待って2日目の乾杯だ。

今夜のメニューは我々が小田原のヤオマサ中町店で買ってきた豚タン、豚ハツ、鳥の砂肝を塩ガーリックでソテーして、湯の花売店でゲットしてきた味の濃いクレソンと食べる。亀の手を食べる。筍の煮物も食べる。これだけで十分御馳走だ。

ワシワシ食べてゴクゴク飲んでいると、マモちゃんがまだ何か作っている。そしてデデンと出てきたのが、極太の春巻である!!

春巻がこんなに御馳走だったとは!
具がみっしり。このクレソンも美味い。

筍がたぁっぷり入った超具沢山の春巻きなのであった。それを酢辛子で食べる。具に味がしっかりついているから酢辛子のアクセントで丁度いい。

春巻って具を一度作ってからそれを十分に冷ましてからじゃないと作れない訳だ。春巻の皮も餃子の皮なんかに比べたら大きい上に極薄である。聞けばこの極薄の皮を1枚1枚はがすのもひと苦労らしい。春巻は手間がかかるの料理なのだ。

つまりオレらの知らないところで密かに準備していてくれたということだ。多分湯の花売店に行っている間だろう。ありがとうマモちゃん。

今夜は春巻の概念が変わる「春巻革命」の夜だった。

時刻は20:30過ぎ頃。知らん間にユキ姐が消えた。明日は2人とも出勤だ。ユキ姐は早番。マモちゃんはまた違う事業所で6時から勤務とのこと。本当申し訳ないです。こんな勝手なオレたちに付き合って頂いちゃいまして。

もう寝よ寝よ。全員寝よう。早寝に限りますよー。

明日僕たちが起きたら2人とも出勤した後だ。そんな状況でいつも受け入れてくれる黒瀬夫妻には感謝しかない。

グッナイ!黒瀬くん!

僕は今夜もパフェのおしっこの匂いの中で眠った。なら夢に出て来て欲しいもんだ。

いつもこのまま寝てしまう黒瀬くん。
僕が還暦誕生プレゼントに頂いたcoachのバッグ。

続きます。

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